事業4 ヘルメットのIoT
忘れもしない「9.11」。我々はいきなり最悪のテロ事件を目撃しました。
とてつもなく多くの消防士がビルに救助へ向かったにもかかわらず、たくさんの犠牲者が出ることになってしまいました。
我々はそのビルが崩れていくのを何もできず見守るだけでした。
その時感じました。わが国日本でも同じことは起こる可能性はあると。
自分はその時ヘルメットメーカーに所属していました。
ニュースではビルが崩れていくシーンを何度も見ましたが、ビルの中の状況は一切目にすることはありませんでした。
その時に思い付いたのがヘルメットのIoTでした。
もしヘルメットにカメラと通信機能が組み込まれていれば消防士はレスキューしながら、遠く離れた高層ビル上層階からもバックヤードに現状を正確に伝えられていただろうと。
さらにそのヘルメットの中に「GPS」で位置が伝えられ、「SIM」で会話ができ、「加速度センサー」で消防士が倒れた情報までが分かれば最高。
まるで現在のスマホがヘルメットに組み込まれているのと同じ。
しかしそのころはまだスマホが出始めたばかりで、非常にアナログな安全保護具業界だったこともあり、大手通信会社、電機メーカーに声をかけ共同プロジェクトを立ち上げ「Uメット」という夢のようなヘルメットを開発しました。
完成後には多くのメディアに取り上げられ、消防庁や海上保安庁などでは実際の現場に先立ちテロに対する訓練や防災訓練でテストされました。